これまでの緻密さに比べて、粗さに驚く。 しかしこの粗さがどこか幼さを感じさせ、 それが音楽への初期衝動というか、熱いものに感じられ、ひいては 自分や自分を取り巻く環境、愛情へのプリミティブな感情を思い起こさせる。
これまで一貫して描いてきた「孤独」について、 前作LEVEL4でその描き方が抽象化の極致に至ったが、 今作では個人の視点に回帰している。ただ、個人的ではあるけど どこか匿名性の高い描き方をしているのは、念頭に置いているのは やはり1stのglobeだと思うし、曲調も原点回帰のお茶の間J-POP然としている。
曲調的には曲順がしっくりこないが、歌詞を繋げて物語を作ってみたら、 結構納得できた。精神が解放されていき、幼く素直な、 つまりプリミティブな感情に至り、人生のシフトを願う、と。
初期衝動、幼さ、プリミティブな感情… タイトル等で提示しなくても、様々な面から同じテーマに辿り着く、 個人的にはこの10th、大名盤だと思っている。
('20.04.18-25)
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