オリジナルアルバムとメンバーソロ集他の2枚組。以下は1枚目のみについての感想。
前作は視点が個人に回帰しつつも匿名性の高い描き方をしていたのに対し、 今作はより個人的に…もはや個人的過ぎる域に達する。 それぞれの解釈でそれぞれに聞けるというよりは、 共感するには特定の経験を要求するような曲が多い。 その最たる曲が“About Me”というタイトルであるのは面白い。
また、前作で微かに感じていた 「私を置いて自由に何処かへ行ってしまいそうな感じ」が決定的に現れる。 <隠れて孤独(ひとり)で歌を歌いたい>は元より、"globe"というバンド名の彼らが <人は明日と呼ぶ ただ地球に振り回されていただけ>などメタ的に こちらを突き放すような表現に、深い絶望感を覚える。そして彼ら側にも 前作の「自由に」よりは「絶望して」というニュアンスを感じてしまう今作。
当時、私は彼らの活動に文句タラタラだったんだけど、 その関係性が見事にパッケージ化されてしまっている。
('20.05.02-17) PR |