なんとなくTK色の薄い5th。
この後しばらく続くトランス路線の始まりを感じさせ、 TKも力が入っているであろう前半と、 作曲に木根尚登、編曲に久保こーじや葉山たけしといった メンバー以外が参加するロック路線の後半とに、はっきりと分かれる。
2nd、3rd、4thのような内容的なテーマを掲げた作品群とは異なり、 実験的な印象で、キャリア全体の中でも異質な作品。 前年のfeaturing企画まで収録され寄せ集め感も否めないけど、 この振り幅を元々globeというバンドは内包していたし、 トランス路線の無機質なボーカルとロック路線の生き生きとした歌唱とを 器用に使い分けることが出来るのはKEIKOの大きな魅力。
しかしやはり、TK渾身の冒頭トランス路線新曲3曲が良い。 幻想的な電子音が作り出す浮遊感に包まれ恍惚すら覚える、 文字通り「トランス」状態。冒頭3曲の隙のなさには、凄みすら感じる。 正直、この頃の“トランスを作ろうとして何か違う”感じの路線、もっと聞きたかった。
('19.11.09-24)
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